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【新年特別企画】特別審査会賞・まちのひと審査会準グランプリ「嘘をついて」受賞者インタビュー

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新年特別企画の第2弾は、まちのひと審査会準グランプリ・特別審査会賞のダブル受賞をされた「嘘をついて」のインタビューです。

インタビュアーは特別審査会の工藤安代さん。
三ツ橋勇二監督(写真右)、脚本家の米内山陽子さん(写真中央右)に加えて
主演の高橋恭子さん(写真中央)、田中千佳子さん(写真中央左)、中村貴子さん(写真左)
にお話を伺いました。

 

工藤:「嘘をついて」をつくるきっかけはどういったことだったのでしょうか。

 

三ツ橋:もともとは、米内山さんと主演の3人がチタキヨという演劇のユニットをしていて、    

        あるときに僕がその舞台のチラシの写真を撮るということになって、それが始まりですね。

   2回目の公演のときですかね…「映画やりたいよね」って話題がでて…

   「やろうよ、じゃあ脚本書いちゃいなよ」みたいな感じで、ノリですね(笑)

   特にテーマともなにもなく、米内山さんに丸投げしちゃったんですよ(笑)

 

米内山:で、書いちゃったみたいな(笑)

 

ー3人の女性が、自分の鎧をとる瞬間を描くー

 

工藤:なるほど。まずは映画をつくるということが先にあったということですね。

  「嘘」というテーマで撮ろうということになったのはどういった理由がありますか。

 

三ツ橋:映画をつくるにあたって、

   高橋さんの知り合いの化粧品会社さんが出資してくださるとお話がありました。

   そこから3人の女優さんで化粧品を使って、

   何かショートストーリーができないかということになり、

   そのきっかけで米内山さんが本を書いてくれました。

 

米内山:「化粧をする」ということはある意味「すっぴんを見せていない」ということで、

     偽るというか…大きなくくりで言うと嘘になるんではないかと思いました。

 

工藤:そう言えば。3人とも顔を洗って、すっぴんになるシーンがありましたね。

 

米内山:はい。化粧水をつかってということだったので、

    一回すっぴんになるシーンを入れたら対比が出ていいんじゃないかというイメージもありました。

    それぞれ立場の違う3人の女性が自分の鎧を脱ぐというか、

    嘘のベールをはがす瞬間みたいなのを書きたいと思いました。

 

工藤:面白いですね。鎧をとるというのが「嘘」ということにつながって、それをテーマにされたというのは。

   

米内山:自分を装うことを嘘ととらえたらどうなるだろう?みたいなことを考えてました。

 

工藤:なるほど。人って必ず嘘をつく動物だと思うんですけど、

   過去にあった「嘘」についての解釈で大切の人を傷つけないために嘘をつくとか、

    相手をよろこばせるために嘘をつくとか、

   そういう嘘が今まで語られてきたと思うんですが、

   今回のテーマでは「嘘」がもっと別の角度で書かれているように思いました。

 

三ツ橋:よく言われるのが、タイトルの「嘘をついて」から連想して、

   女性3人が出ててくるということで、

   結構ドロドロしたものを想像される方が多いです。

 

    そのときにイメージされる「嘘」っていうのが、何か事件を隠蔽しようとするような「他人に向けたわりと大きい嘘」なんですが、

   今回の「嘘をついて」に出てくる彼女たちの嘘というは、

   主に自分がどうしたいとか、どうなりたいっていう

   「自分自身に向けての小さい嘘」なので、ささやかな嘘なんですけど、

   逆に致命的だったりするところが、

   皆さん観ていてギャップを感じられるところかもしれませんね。

米内山:もし「嘘」というテーマで書いてたとしたら、

    人間関係が壊れるくらいの嘘を描いていたとは思いますね。

    それこそ事件の隠蔽とか、詐称レベルの大きい嘘にしたと思います。

 

ーまだ「名前がないようなもの」を脚本に書きたいー

 

工藤:米内山さんは、やっぱり自分の身の回りのことでシナリオのテーマを探されることが多いんですか?

 

米内山:そうですね。実際自分が深刻に思っていないと、なかなか文字に起きないっていうのが実体験としてあるので。

 さすがに自分の人生を切り売りするようなものでもないので、だいたい創作にはなるんですけど

    やっぱり同世代の女性の生きづらさとか、抱えてるものにいまとても興味があるので

    その辺をもっと掘っていきたいですね。まだまだ宝物が眠っている気がするので。

 

工藤:「嘘をついて」は、見る人に非常に共感を得やすいと思います。

   自分も確かにそうだよなっと思って。ちょっと自分をよくしたいから嘘ついたりするなって。

 何気ないことで気づいていないんだけど、それを見せることで共感も得られるテーマって

   結構簡単なようで見つけるのは難しいんじゃないないでしょうか。

 

米内山:皆思ってるけど、名前のついていないようなものって、

    まだたくさんあるような気がしていて、 

     いち作家としてはお客さんに「何で私しか知らないものがここに現れてるんだろう?」ということを書きたいと思っています。 

    その「名前がついてないもの」を脚本にすることで、明らかにしようとしているかもしれません。

 

工藤:3人のキャスティングは、どのように決められたんでしょうか。

 

三ツ橋:確か脚本の時点で決まっていましたよね?

 

米内山:はい。「あて書き」というやつですね(笑)

    役名も本人の名前をモジって、一文字変えてあって。

    千佳子が「チエコ」だったり、恭子が「ショウコ」だったりするので、

    監督に渡した時点で、すぐに監督もわかってくれたみたいです(笑)

 

工藤:設定も実生活と近かったりするんでしょうか?

 

米内山:そういう訳でもないですね。実生活を板の上にのせるということが『あて書き』だとは思っていないので、

  この俳優がこういう役でこういう台詞を言ったら輝くのではないかという

  俳優の性質にあてて書いたつもりなので、彼女たちの私生活と映画の中の私生活は多分、相当違っていると思いますね。

 

三ツ橋:あれ通りに(小説家ショウコの)部屋が汚いと困っちゃいますもんね(笑)

 

中村:「恭子には汚くなってもらいたい。千佳子には恋をさせたい。私には疲れてもらいたい」って(米内山さんが)言ってましたもんね(笑)

 

ーそれぞれの世界で生きる3人の女性を描くー

 

工藤:どうやって1人ずつのストーリーを考えていかれたんですか?

 

米内山:登場人物が3人なので、立場をとにかくしっかりとしたいと思いました。

    別の社会の中で生きてるというか、

 分かりやすくはっきり分けたほうがいいと思ったんですね。

「家庭という世界で生きている人」と「仕事という世界で生きている人」と

「その間で揺れている人」っていう二者の対立の間に「もうひとり」みたいな感覚で三角形というよりはそんな感じかもしれないんですけど。

 それぞれがお互いをうらやんだり、ある側面しか見てないけど、

その内側に入ると実はもうちょっと違ういろんなことを思っていたりするというのが、

3人それぞれあるようにできたらいいな、と思ってました。

(写真右から米内山陽子さん、高橋恭子さん、田中千佳子さん、中村貴子さん)

 

工藤:それは、すごくうまく伝わってきました。

   3人の立場が現代社会の中では典型的なことというか

   身近に感じる設定だと思いますが、やはりその点は意識されてますか?

 

米内山:そうですね。身近なことなので観てくださる方も

    入り込みやすいのではないかと思います。

 

三ツ橋:年齢的に35歳という設定なので、

    そこがちょうど仕事をやっている人は自分の仕事にも自信が持てたり、

    とても充実した世界があると思うので、

    それぞれが自分の世界をいいものにしながらも

    悩みも抱えてることは抱えているという。

   そこが35歳という設定でわかりやすく見えているように思いますね。

 

工藤:現場での変更点は何かありましたか?

 

三ツ橋:ほぼないですね。一部削らせてもらったところはあるんですが。

    最初にいただいた脚本には、3人それぞれにモノローグがあって、

    「そこだけは映像で頑張って表現しますので」と米内山さんにお願いをして

削らせてもらいました。

 

米内山:映像の脚本は今回初めてだったので、いつも演劇で書くように書いた あとに

  監督と相談しながらという風に思っていたので

    「まぁ、そうだろうな」って思いました(笑)

 

    

工藤:やはり映画の力というか、演劇とは違った点があるでしょうね。

     言葉ではなくて映像で語るみたいな。

    その辺はやはり意識されていらっしゃいますでしょうか。

 

三ツ橋:そうですね。なるべくそうしようとは思ってましたけど

    それが届いたかどうかは、皆さんの受け止め方が違うでしょうからね。

    なるべくそうしたいな、とは思っています。

 

工藤:個人的にはすごくリアルな感じがして、

   部屋の雰囲気とかも違和感なくて映像的に見ていて

   「これ、私の友人たちかもしれない」みたいな感じで 入り込みやすかったです。

 

米内山:それはすごくうれしいです。

 

工藤:ちなみに3人のお部屋は、皆さんが実際に住まれているとかではないですよね?

 ものすごく生活感というか自然に感じましたが、どのように探されたんですか?

 

三ツ橋:友達のところを聞いて回って探しました。

   ただミカコの部屋は、米内山さんのリアルお宅でです。

工藤:なるほど、だから部屋の感じもリアルだったんですね。

 

米内山:撮影隊がくるまえに部屋を片しておこうと思っていたんですが間に合わなくて、

    洗い物がシンクの中にそのまま残ってて、これガチのやつだって(笑)

 

高橋:作家の部屋位ですよね。汚すために結構時間がかかったのは。

 

三ツ橋:もともと綺麗なお宅だったので、ハイエース一台分くらい

    散らかすためのものを持って行ったんですけどね。

 

高橋:私も自分のものを家から持って行って、いっぱい散らかしたんですけど

   全然足りなくて、途中で買いに行ったりしましたからね(笑)

 

田中:ヌーブラとかね(笑)

 

高橋:こういうの転がってるだろうなって思って持っていったら、案の定ちゃんとフォーカスされてましたね。

   とくにドレスとか着るときにつけるものなので、授賞式のドレス姿との対比にいいかもって思って持っていきました。

 

工藤:あの部屋のシーンで、歯ブラシをマドラー代わりにしてるのがよかったですよね(笑)

 

高橋:脚本に<歯ブラシでかき混ぜる>って書いてあったので、そのとおりにやりました(笑)

 

三ツ橋:あそこいいですよねぇ(笑)

    ああいう仕草とかって、この役のキャラクターがすごい感じられる部分だと思うので

       大事に撮ろうって思いますね

 

高橋:洗面所じゃなくて、流しに歯ブラシがあって、

   化粧水が冷蔵庫の中に入ってるっていう(笑)   

   その人の生活が見えますよね。

 

ー敢えてレンズを変えずに自分のやり方を工夫をする

 

工藤:この作品での監督の拘りをひとつ上げるとしたら何でしょうか。

 

三ツ橋:敢えてやってたのは、カメラのレンズを50ミリだけ固定してやっています。

    そうするとアップが多かったりとかしてしまうんですけど、

    でも敢えてレンズは変えずに鏡の中に入ったり、機材を固定することで自分のやりかたを工夫するというか

    その場で発明する、というようなことをやっていましたね。それが結果的によかったと思っています。

三ツ橋:狭い部屋でやっているので、どうしても全体を見せたいときには

    離れないといけないんですけど、狭くて離れられないときは動いて

    全体像をみせなきゃならないんですよね。そういう工夫をしてます。 

    あまり映画の中でカメラがブンブン動いちゃいけないっていう

    教科書みたいなのにはあるんですけど、そこはあまり気にしないで

    「見てる人は気にならない」って言い聞かせてやっていました(笑)

 

工藤:演じられてる方たちは360度で演じられてると思うんですけど

     カメラで切り取るというのは、ある一部だけですもんね。

     だから、カメラで撮るということ自体が即興で、その瞬間瞬間で、

   世界を編集をしているようなことですよね。

 

三ツ橋:そうですね。そういった意味では自分でカメラをまわしたのはとても良かったです。

      他の方とはコミュニケーションしながらその場でやるのは難しかったですね。

     仰るように2人の会話のやり取りを撮るときに、

    ここで起きてることをこっち側だけ切り取ると

    「こっちの世界」しか見えないんですけど、

       反対側の方でも当然お芝居していて、あとで切り返して撮影はするんですが

    編集していくうちにどこか欠落している部分があるんですよ。

    それが本当に全部を拾えているか…とか、その場で起こっていたことが

    ちゃんと見えていたのかっていう不安はずっとありましたし、いまでもありますね。

 

 

ー「役者はいつも新人」

工藤:映画で役を演じるって、一言でいうとどういうことですかね?

 

高橋:ひとことではちょっと難しいんですけど私は演劇も映画もあまり変わるとは思ってなくて 毎回違うんですよ。現場も役も毎回変わるので。

 

  そういう意味では毎回手探りというか。あるときに駅を歩いていてがあって

   「演じる役は毎回違う。役者はいつも新人です」って言葉なんですけど

  その言葉がわたしはとても好きです。

  毎回どうやってやってたんだろうって、いつも思うんです。

  それで毎回きっとやり方は違ってて、でもきっと毎回探すんだろうなって。

 

田中:そうですね、「自分という人間をきめない」ってことですかね。

 

中村:私は…「なにも芝居してなかったな」ってときが

     本当に演じられたときのように感じます。   役そのものになれてるっていうか、

  「こうしよう」「ああしよう」って狙ってやるのではなくて、

  「役を生きた」…みたいな?

     ちょっと何か違う気もしてきました…それを探している旅の途中です(笑)

工藤:撮影中のエピソードとか、苦労されたことはありませんか?

 

三ツ橋:技術的なことでいうと、途中音のデータが全部飛んだんですよ(笑)

    1日目でしたかね…音声の人が手を滑らせて、そしたらハードディスクが落ちてしまって

 

米内山:ああ、そうそう、ありました(笑)

   すごく明るい方(録音部)なんですけど、本当に真っ青な顔になっちゃって。

     監督が「消えたデータは復旧できるから」って、

   「大丈夫、大丈夫」って何度も励ましてるんですよ(笑)

   すごい気の毒なんですけど、何かその顔がおかしくなってきちゃって、ずっと笑ってました(笑)

三ツ橋:ハードディスクのデータが飛んでも専門業者にもっていけば復旧してくれますから。

    何度かそういうところにデータの復旧を頼んだことがあったので(笑)

   

 

工藤:すごく頼もしいですね。

   そういった意味では監督は、皆が不安にならないように

     全部自分で引き受けるみたいな感じなんですね。

 

米内山:そうなんですよ。すごく頼もしい監督です。  

    褒めるときも、すごくバシッとほめるというか 監督がよく「天才」って演技を褒めるんですけど、すっごい横で聞いてて気持ちいいですね

 

高橋:ふたりが作品のお父さんとお母さんみたいな感じでしたね

   わたしたちは、それに沿って頑張ればいいっていう子供たちみたいな感じです

少人数だからこそ、そういうチームワークが際立ったかなって思います

 

田中:私は普段の演劇とは違って出来上がりをみるまでは、ずっとちゃんとできてるかが不安でしたね。

    舞台だとある程度つくってからお届けしているのですが

   芝居をしているところを撮られて、「大丈夫かな?」って思ってるところに

    「はい、OKです」って言われて、「え?OKなんですか?」みたいな感じで。あと自分のすっぴんがびっくりした(笑)

 

高橋:そうだよね。入り込む時間も映像だと短いですし、いつも演劇では

  2時間とかかけてやってる芝居をもっと瞬間的にやらなければならないので、

  ちゃんとその人になれているかなぁっていうのは不安ですね。

    準備する期間も演劇だと1ヵ月を稽古をして、その人になっていくので。

    そういう意味で映像は難しいなぁって感じます。

工藤:演じた役で、ここは自分に似てたなっていうのはありますか?

 

田中:私は結婚か仕事かっていうのは、常に考えますね

   恋愛しても、常にそこまで思考がいっちゃうタイプなので(笑)

  「そしたらどうするの?私はどっちを選ぶの?」って思いますけどね

   そこはすごい悩む。年齢も年齢だしね

 

高橋:私の演じたショウコで言うと、ある程度周りから認められている「しっかりしている自分」と 

   その反面にある「どうしようもない自分」というのがあって、

   そっちの自分も認めて欲しいっていう気持ちや、そういうギャップに苦しむという、あの役はとってもよく分かります。

一人で会話もないシーンが多かったので、それがちゃんと出てればいいなって思います。

 

中村:そうですね。友達とかと会って帰りの電車で落ち込んだりとか、そういうことはよくあるし(笑)

   撮影当時は子供もいなかったし、結婚もしてなかったし私生活はぜんぜん役とは違ってたんですけどね。

   いまは子供が生まれて、役に近い状態になっちゃった(笑)

 

ー映画との出会い

三ツ橋:小学校くらいのときに両親が共働きで

    夜一人でいることが多くて、夜な夜なゴッドファーザーとか、

    家にあったVHSを見ながらさみしさを紛らせてたんですよね。

   そんときに「いいな」って思ったのが最初の映画との出会いですね

 

工藤:やはり小さいときの影響はあるんでしょうね。

   ちなみに監督が一番影響を受けた作品は何でしょうか

 

三ツ橋:7人の侍ですかね。動きが面白いというか…。飽きないですよね

    編集もそうですし、カメラもそうですし。

 じつは今回の作品でちょっと意識したのが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の

 「アモーレス・ペロス」という映画で、その映画の撮影監督がロドリゴ・プリエトという方で

 アカデミー賞をとったんですけど、その人が自由にカメラをふる方で。

 会話してるのにこっちふったり喋ってても関係なく、かなり自由にカメラを動かしてるのに、

 それが全然気にならなくて、むしろ、もっとそこのシーンのムードを高めるようなカメラワークなので今回参考にしましたね。

 

工藤:今後挑戦したいジャンルとかはありますか?

三ツ橋:僕自身は結構、毎回いいろんなジャンルをやってまして、

   今回、米内山さんとは初めて一緒にやったので

 今後もしまた米内山さんが嫌じゃなければ、また一緒に何かやりたいですね

 

米内山:はい、私も是非また一緒にやりたいです!

 

ー長時間の取材ありがとうございました。

 

インタビューでも毎回違ったジャンルに挑戦しているとお話されている三ツ橋勇二監督ですが、

最新作「狂熱」はモノクロで成人向け映画というのでとても興味深い

「嘘をついて」で駆け出し小説家役だった高橋恭子さんが売れない小説家の妻役で出演しているとのこと。

 

三ツ橋監督・最新作「狂熱」

毎夜、作業のように淡々と性生活を営むある夫婦。夫は小説を書いて出版社へ売り込みにいくが、成果はあがらない。

ある日夫は欲求を抑えきれずに妻の首を絞めて殺してしまう。ところが、翌朝、妻は蘇っていた。

 


今回インタビューでお借りしたお店は子どもの本専門店「ブックハウスカフェ」さん(神保町A1出口から徒歩1分)

 

おむつ替え、授乳スペースも完備されていてお子様連れでも、ゆっくりお茶を楽しめるカフェ。

週末は読み聞かせイベントなどが充実していて夜は大人の雰囲気も楽しめるブックバーに。

子どもも大人も楽しめる絵本のお店です。

子どもの本専門店「ブックハウスカフェ」東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F 03-6261-6177

 


インタビュ―を終えての感想   工藤安代 

  三ツ橋勇二監督にお会いした時、とてもオシャレな方だないう印象を受けました。
すらりとしてカッコいい外見もさることながら、映画づくりを生活の一部として、本業の仕事とバランスよく位置づけているあり様が、私がこれまで抱いていた「タバコを吹かしてイスに座わり、俳優やスタッフを叱りつける」というような監督のイメージとはかけ離れていました。三ツ橋監督が抱く映画製作への強い思いが今回の受賞につながったのだと感じます。
脚本家の米内山陽子さんの第一印象は仕事ができる女性。これまで演劇の台本を書かれていたそうですが、舞台でも映画でも表現媒体に左右されなく、何気ない日常に生じる亀裂に注視しつつ、人々の共通感覚であったり、共有する課題を可視化させるということに優れたものを感じました。
出演者の中村さん、高橋さん、田中さんとのお話しも刺激的でした。3人とも元々は演劇畑の方ということを知り、映画でのナチュラルな演技に驚きを感じました。
監督、脚本家、出演者が良い映画をつくりたいという同じ思いから出来上がった本作品。莫大な資金を投じる商業映画にはない新鮮さを感じました。作品からは仲間内の手作り的な雰囲気はいい意味で滲み出ておらず、質の高さが際立っています。日常とはかけ離れ我忘れる過剰なエンターテーメント性ではなく、私たちが日頃感じる気持ちの揺れや悩みを細やかにくみ取る事によって、あたかも鏡のようにそこに自身を発見するような作品なのではないでしょうか。


<編集後記>
取材のあとに「嘘をついて」女性陣とともに、すずらん通りまで散策。
三ツ橋監督と昨年11月の公演のチタキヨのフライヤーをつくるときのことをもう少し詳しく伺ってみました。
当初、別のイメージだったところを三ツ橋監督からプレゼンがあり今回の写真に変更したのだとか。

(三ツ橋監督が撮影したチタキヨのチラシ用の写真)

ご覧の通りパンツをかぶって写真を撮るって最初は抵抗があったようですが、仕上がりを見て満足。お客様からも好評。
今回の独白シーンをカットするにあたっても信頼関係がすでにしっかりされていたのだな、と感じました。

終始笑いが起こるアットホームな雰囲気でインタビューは終了。次回作も楽しみです。

 

三ツ橋勇二(みつはし ゆうじ) 
株式会社大日所属。広告映像のディレクターをしながら短編映画を制作し、これまで国内外の映画祭で多数受賞している。
米内山陽子(よないやま ようこ)
演劇ユニット「チタキヨ」で作演出を担当。脚本家、放送作家の事務所、株式会社PTAに所属。
みじめで素敵なものを偏愛している。
田中千佳子(たなか ちかこ)
演劇ユニット「チタキヨ 」の俳優。舞台を中心に活動中。藤間貴喜与という名前で日舞も時折。
「あなたのみじめうけおいます」
中村貴子(なかむら たかこ)
演劇ユニット「チタキヨ」を中心に舞台・映像と活動中。Krei inc.所属。いつだって前のめりな体当たり俳優であり、一児の母でもある。
高橋恭子(たかはし きょうこ)
演劇ユニット「チタキヨ」のキ 役者。
役を生きて。珈琲を淹れて。それが わたしの生きる道。
工藤安代(くどう やすよ)  NPO法人ART&SOCIETY研究センター 代表理事
多摩美術大学卒業後、アートディレクターとして行政・民間組織のアート・コミッションやプロジェクトを数多く企画・監修。
南カリフォルニア大学院にてパブリックアートやコミュニティアートを学び、2008年現NPO法人を設立。社会や地域に関わるアートの情報発信や調査、実践活動に取り組む。
2015年環境芸術学会「学会賞」を受賞。主な著作に『パブリックアート政策』等がある。
2017年3月『ソーシャリー・エンゲイジド・アート展』を主催し、社会を動かすアートの新潮流を国内に紹介した。

インタビュー:工藤安代
文:向日水ニャミ子
カメラマン:徳田巌
協力:ブックハウスカフェ

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