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東京神田ファンタスティック映画祭レポート

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2018年11月4日(日)開催された「東京神田ファンタスティック映画祭」の様子をレポートとしてお届けいたします。

今回は初めて、神田カレー街活性化委員会様のご協力のもと、授賞式会場を神田カレーグランプリ決定戦内の特設ステージをお借りして行わせて頂きました。

司会は長谷川葉生さん、柴田千紘さん。

白石春美実行委員長より開会の挨拶がありスタートした授賞式。

途中、小雨が降る場面もありましたが、12時からの授賞式はちょうど昼食時とあって、会場内に多くのお客様がいらっしゃりました。

スパイシーな香りに包まれながらの授賞式は、他所では味わえない思い出に残るものになったのではないでしょうか。

ほんの少し、授賞式をダイジェスト写真で振り返ります。


グランプリは今回が初監督という根岸理沙監督「三つの朝」。 24歳の若さでありながら、30代、40代の女性描く感性には脱帽。

そして神保町映画祭賞はこの3作品が受賞しました。

「あの日の伝言」遠藤健一監督

「公衆電話」 松本 動監督 主演の菅井玲さん

「いきうつし」    田中晴菜監督 そして主演の笠原千尋さん、岡慶悟さん

Midori-Impuls賞「DEAD COP」の中元雄監督と、主演の白畑伸さん

2019年ハンブルグ日本映画祭20周年での上映、ヨーロッパでのDVDリリース権を獲得!!

また当日サプライズ発表された土肥良成審査員による「土肥賞」を受賞した皆様には、作品のイメージを象った土肥さん特製の盾が贈られました!

高山康平監督『コメディ』

角田恭弥監督「ユウカイ犯」キャストの皆さん

 土井省吾監督「トイレの神様・新約」

授賞式のあと13時からは、コトブキシーティング株式会社様地下ショールームにて、受賞作品の上映会が行われました。

じつはコトブキシーティング様は映画館やホール、劇場の椅子など、観覧席と言われる椅子を取り扱っている国内トップシェア企業なのです!

普段はBtoBの販売をされているので、会場となっているショールームには、一般の方はなかなか入れないのですが、イベントの際には特別にご協力頂いています。

ご覧のとおり色々な種類の椅子が設置されているため、カラフルで目にも楽しめるおしゃれな会場。どの椅子に座っても最高の座り心地です。

そして、有り難いことに開会時より、大勢のお客様にお越し頂き、途中席が足りなくならないかと、スタッフがドキドキする場面もある程に満員御礼となりました。

最初の上映作品は神保町映画祭賞を受賞した遠藤健一監督の「あの日の伝言」です。去年の受賞作「ぶきっちょ」につづく、相生市の町おこし映画企画で制作された家族をテーマにした物語。

上映後の舞台挨拶で遠藤監督は、「石田卓也さんとは映画「蝉しぐれ」がご縁で、それから15年近く経ち再会しました。愛知から上京してきた当時15歳の頃から彼を知っているので、とても思い入れのある役者さんで、再会をきっかけに30歳になった彼のために映画を撮りたいと思いました」とコメント。

上映後の舞台挨拶で遠藤監督は、「石田卓也さんとは映画「蝉しぐれ」がご縁で、それから15年近く経ち再会しました。愛知から上京してきた当時15歳の頃から彼を知っているので、とても思い入れのある役者さんで、再会をきっかけに30歳になった彼のために映画を撮りたいと思いました」とコメント。

また兄役の高岡蒼佑さんについて、「石田さんの推薦がきっかけですが、僕自身も高岡さんにはスクリーンに帰ってきて欲しかったので出演をオファーさせて頂きました」とお話されていました。

人生の岐路に立つ主人公が大切な人からの想いを感じて、自分自身を取り戻していく物語。

この映画のストーリーにも重なるような、バックストーリーが感じられる舞台挨拶でした。

次に上映されたのは同じく神保町映画祭賞の松本動監督「公衆電話」。

こちらの作品は父と娘のあたたかな愛情を描いていました。 上映後は主演の菅井玲さんがご登壇くださいました。

劇中で父娘が話す「〜ずら」といった特徴ある方言は山形県の米澤弁だそうです。

とても流暢な方言で、山形県出身の方をキャスティングされたのかと思うほどでしたが、

監督も出演者にも山形県出身の方はいらっしゃらないとのこと。

とても自然な方言と演技に役者魂を感じました。

菅井さん自身もお母様を早くに亡くされ、主人公に重なるとこが多く特別な作品になったとのコメントしてくださいました。

ツンデレのような親子で、異性ならではの照れくささみたいな感じがよかったです。

映画のなかの黒髪ショートもよかったですが、髪が伸びて少し印象がかわった菅井さんも素敵でした。

3作品目は、神保町映画祭賞受賞、そしてノミネート作品でもある田中晴菜監督「いきうつし」の上映でした。

「途中で出演者が2人と気が付いて驚きました。役者という”生き物”がいくつもの役を演じるという点で、「身代わり」というテーマへも通じるメタファーを感じました。」とコメントしたのは、岩澤弘樹審査員です。

そして、上映後の舞台挨拶で田中晴菜監督はこのようにお話しされています。

「最初は朗読劇として準備していた脚本でした。ひとつのスタジオで全部撮ろうと決めたときに発想の転換をして、逆にその制約を活かして演劇のように1人で何役もやる構成にしようと決めました」

また今回、仏師・亀八役をはじめ5人を演じた岡慶悟さんはー

「ひとり5役を演じるのは難しかったけど、やり甲斐がありました。メインの亀八は自信家でエゴイストな性格だと思ったので、それを軸にほかの役のキャラクターをつくりました」とコメント。

田中晴菜監督は、毎年古本まつりにも参加されている大の神保町好きで、劇中には明治時代をイメージした装飾として、神保町の古書店で購入した本や古地図も多数使用されてるとのこと。思い入れのある「神保町」という冠がつく賞を受賞できて、とても嬉しいとお話されていたのが、とてもありがたく印象的でした。

つづいて、4作品目は土肥審査員賞・角田恭弥監督「ユウカイ犯」 

身代金目当てに社長令嬢を誘拐するはずが、間違えてヤクザの組長の娘を捕まえてしまったことから始まるストーリー。 今回が初のお披露目上映とのことで、夏美役の藤白レイミさん、社長令嬢役の工藤奈々子さん、ガルシア役フェルナンデス直行、荒木役の荒川浩平さん、亮太役の広田亮平さん、花園役役の春園幸宏さん、計6名のキャスト陣が終結。

自主制作映画ならではのチームーワーク、和気藹々とした雰囲気を感じられる華やかな舞台挨拶となりました。

セットの装飾も役者さんが手伝ったり、スタッフとキャストの垣根を越えて みんなで一緒につくった現場だったので、いろんな経験をさせてもらった作品となったというコメントが印象的でした。

「インフィニティ・ウォーよりドキドキした。最初ポンコツで楽しいコメディなのかなと思いきや、短いなかでどんどんジャンルが変化していくような、ジャンルを規定できない作品」という土肥良成審査員からのコメントに共感できる人は多いのではないでしょうか。

後半にかけての驚きの展開と激しい暴力シーンに目がはなせなくなります。

冒頭の軽快でコミカルな会話のやり取りから、徐々にシリアスで過激な暴力シーンになっていき、鑑賞中笑ったり怖がったり考え込んだりと大忙しいな短編映画でした。

5作品目は土肥審査員賞「トイレの神様・新約」です。

なんとトイレが舞台の作品!

笑いの要素が多く取り入れられていたり、CGが取り入れられたり、トイレや売春がテーマとは思えないくらいに親しみやすくポップな作品でした。

上映後の舞台挨拶では、土井省吾監督と主演俳優の茅野勝利さんがご登壇くださり、制作の経緯などお話くださいました。


当初、当映画祭の審査員でもある駕籠慎太郎先生主催の「うんこ映画祭」向けに制作されたというこの作品。

以前、うんこ映画祭の審査員も務められていた主演のしじみさんとの出会いが、制作のきっかけで専門学校の同級生が集まりつくられたそうです。

ハッピーエンドなのかどうか?について、土井監督が「チェイサーという韓国映画で、売春婦が仕事を辞めるのが一瞬ハッピーエンドのように描かれていて、だから自分の中ではハッピーエンドだと思っています」とコメントされてたのが、とても意外でした。

とにかくラストにむかって畳みかけるようなテンポの良さ、サービス精神旺盛で独創的な作風だと感じました。

そして、上映6作品目はこちらも土肥審査員賞の高山康平監督『コメディ』です。

どこにでもいるような「家族」を独自の切り口で描いた作品。

舞台挨拶には、高山康平監督と日高七海さんが登壇くださいました。

「最後のオチがはっきりとしないところが非常に好感を持ちました。実際、僕たちの生きてる世界ではドラマみたいにはっきりしたオチはないので」とコメントをされたマンタム審査員に対して、「前半は虚構のコメディとして、最後はみんなの日常に接続していくようなイメージで書いたので、とてもうれしい。」とコメントされた高山監督。
なぜ『コメディ』というタイトルにしたのか?という質問に対して、

「僕なりのコメディというのを描きたかったので、いわゆる王道ではくて境界みたいなところを狙った。もっと笑えるコメディを期待していた方には期待はずれだったかもしれませんが、皆さん暖かい反応でちょっと驚きました(笑)」と笑顔でお話されていました。

また妹役・日高七海さんは「周りの方からはホラーだったよって(笑)言われます。本当に改めて家族って宗教だなぁと感じました」とコメントされてたのが印象に残りました。

上映7作品目はミドリインパルス賞受賞の中元雄監督「DEAD COP」です。

映画学校1年のときに同級生数人で作り上げたという本作。

キャラの濃い警部が、突然現れては人を殺すサイコパス殺人鬼に立ち向かう映画です。


上映後の舞台挨拶で中元雄監督は、このようにコメントされました。

「映画学校の1年のときに平均スタッフ数3人くらいで作って。みんな演技もほぼ初めてで体当たりでした。だからこそ”真剣に馬鹿をやってみよう”っていう、あのノリが出せたかも。金曜ロードショーとか毎週見てたので、好きなものを詰め込んで作りました」
主演の白畑伸さんには、役のイメージを伝えるためにスタローンのコブラとダーティーハリーを見てもらったそうです。

「台本に腸を出してヌンチャクするっていうのがあって(笑)この人に一生ついていこうと思いました」とお話された主演の白畑伸さん。

ブラウン管で見ているような画像処理や、登場人物がガラケーを使っていたり、くさいセリフを吐いたり、文字タイトルや音楽が凝っていたり...監督はじめ制作メンバーの80年代への拘りと愛情が強く感じられました。

最後にオリバー・ゲオルグ審査員のお祝いのメッセージが紹介されました。「DEAD COPをはじめ、素晴らしい日本映画をこれからも広めていきたい」という熱いビデオメッセージは、開催前夜にドイツから届いたということでした。

最後はいよいよグランプリを受賞された根岸里沙監督の『三つの朝』の上映。

女性監督らしい柔らかい映像と、詩的な言葉で綴られた素晴らしい作品でした。

同じ職場で働く世代の違う女性三人の暮らしが、少しだけ交叉し、また離れていく様が美しく描かれていました。

上映後の舞台挨拶は20代女性・舞衣役の根矢涼香さんが登壇。

部屋で煙草を吸うシーンは、持ち方も練習して監督の拘りで何回も撮り直したそうです。

2人のタイミングがなかなか合わず、部屋が煙たくなった等。現場でのエピソードなどをお話くださいました。

そして審査員の皆様からコメントを頂戴しました。

岩澤弘樹審査員「第一印象として一番映画としての充足感にあふれている作品。 とくに寄り画が絵画のような切り取り方が非常に美しいです」

多賀新審査員「ラストシーンがタルコフスキーのノスタルジアのような感じを思い出しました。言葉ではなくて、映像として受け取るものが多くて素晴らし作品だと思います。」

マンタム審査員「今回集まった作品では脚本と演技が素晴らしいものが多くて、その中でも特に映像としての表現が際立っていた。またストーリーも非常に女性的で、女性にしか見えなものがたくさん見えた気がして素晴らしいと思いました」

土肥良成審査員「いちばんよくできてる映画だと感じました。霧の朝の景色も、現実にあの人たちがいるような感じがして。それが説明とかじゃなくて、頭の中にすっと入ってきたのがよかったと思います。」

根岸理沙監督は、若干24歳で本作が初監督作品というのにも驚かされます。

「三つの朝」グランプリ誠におめでとうございます。

根岸監督の今後の活動に益々期待しております!

これにて上映会は終了となり、最後に当映画祭プロデューサーの久那斗ひろから御来場の御礼と挨拶がありました。

例年予備選考から審査に参加している久那斗プロデューサーによると「これまでの中で最も難しく拮抗した審査でした。応募作178作品の質があまりにも高くて最後の最後まで接戦でした。今年はとくに脚本、キャスティングで勝負をしてくる若い監督が増えたという印象を受けた。」と審査を振り返りました。


改めて、関係者のみなさま、応援してくださったみなさまに深くお礼申し上げます。

今後とも東京神田ファンタスティック映画祭を応援していただけますよう、よろしくお願いいたします。

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