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【TKFFC2021 グランプリ】渡邉安悟監督「獰猛」に決定!

日頃のご声援誠にありがとうございます。東京神田ファンタスティックフィルムコンペティション (TKFFC2021) グランプリは応募総数285作品から厳正なる審査の結果、渡邉安悟監督「獰猛」に決定しました。おめでとうございます!

「獰猛」 

渡邉安悟監督 70分

<あらすじ>

腐れ縁の医者から余命宣告を受けた前科者の元プロレスラー山田鋼太郎は、黙々とそれを飲み込んで翌日には何事もなかったかのように工場勤務の生活を送っている。鋼太郎には同僚の近藤と仕事終わりに喫茶店でだらだらと過ごすという日課がある。いつもの如く近藤の夢の話しを延々と聞いたあと、ぶらぶら夜道を独り歩く鋼太郎は閑散としたプロレスジムへと誘われ、そこで隣人の中野亮平と遭遇する。次第に鋼太郎は近藤と亮平の二人と過ごす時間が日常へと変わってゆく。しかし……。

<キャスト>

入江崇史、河野宏紀、古川順、髙橋里恩、森了蔵、大須みづほ、大迫茂生

渡邉安悟監督からの受賞コメント

「獰猛」に登場する人物たちはいずれも社会に上手く順応できずに日々を生きています。年齢や職業、性別や人格を問わずに、真っ直ぐな表通りを歩むことをたえず禁じられているかのように、それぞれが複雑な裏通りを進んでいます。ただひたすらに呆然とその道を歩み続けるだけの人もいれば、立ち止まってジッとしたままの人もいます。急に走り出したり、逆走したり、誰かと一緒に手を繋いでその複雑振りを満喫する人もいるし、先の道が崖の如く絶たれている場合もあるでしょう。

もはや舗装されていない道なき道にも堂々と逸れる彼らの進退に、本作を監督したかに見える私ですら時として驚くばかりです。本作について簡単な紹介をする際、彼らを"不器用な人"と一括りにすることがありますが、そのような安易な一言で済まされる人物ではないのかもしれません。私は、自分という人間が"不器用な人"だと安易に考えていますが、私を彼らに無理やり結びつけるのはどうもいかがわしく感じ、むず痒いのです。

何はともあれ、本作のような"不器用な"映画をグランプリに選出していただいた映画祭の方々には、心より感謝を申し上げます。携わった全てのスタッフ・キャストに頭が上がりません。映画に登場する人物たちも、きっと報われます。

監督プロフィール

1994年、大阪府生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後に東京藝術大学大学院映像研究科に進学し、映画演出を学ぶ。現在は東京を拠点に映像フリーランスとして活動中。学部の卒業制作「ドブ川番外地」は国内外の映画祭にて上映され、2021年に劇場公開を果たす。

監督作「獰猛」「ドブ川番外地」「ティッシュ配りの女の子」など。

特別審査員・藤井道人監督からのコメント

▼ TKFFC2021応募作品の総評

去年も審査員を担当させていただきましたが、年々クオリティが高く感嘆しました。どの作品の監督もすぐに商業映画の監督を撮れるスキルやユーモアを持っていると思いましたし、何より、同じ映画監督として大変刺激を受けましたし、とても嬉しく思いました。このような機会をいただきありがとうございました。短編長編と手法やアプローチが違うため、審査をすることが大変困難でした。

あえて一つ、全体的に気になったことをあげるとすれば、脚本。短編ですし、説明的な描写は排除してもっと自由に描いてもよいなと思いました。観客がもっと映画を想像出来るようなストーリーテリングに執着してもいいのになと思いました。あくまでも僕の主観であり、どの作品も審査員が違えばグランプリになっていたと思います。今後も、面白い作品をどんどん世に出していただければと思います。ありがとうございました。

▼ TKFFC2021グランプリ「獰猛」短評

「最近、よく死んでます」と最後の最後まで悩みました。この二作品の渡邉監督と、金本監督は奇しくも同い年。映画に向かうスタンスも、手法も真逆だなと思いました。 僕は、BABEL LABELという映像集団に所属していますが、そこに所属している僕とアベラヒデノブくらい両極端な作品でした。「最近、よく死んでます」の金本監督は才能の塊だなと思いました。既存の手法に捉われることなく、おもちゃ箱のような映像の応酬。しかし、ギミックだけに逃げることなく、サトコの感情をしっかりとらえていた。

「獰猛」は真逆でとても静かな作品であり、クラシックな印象。言葉を極力排除し、表情で見せる。脚本的に、突っ込みたい部分は多かったものの、この作品が持つ「余白」に渡邉監督の未来への可能性を感じました。一晩悩んで、僕の頭の中で深々と残っていたのは、亮平の人生が今後どうなっていくのかということ。俳優たちもよかった。

審査員が、アベラヒデノブであればこの評価は逆転していたと思います。 短編もプロレベルの作品ばかりでした。詳細は大変恐縮ですが、短評にて。 自分のチームメイトの作品を見る気持ちで感想を書かせていただきました。

映画監督・藤井道人(ふじいみちひと)プロフィール

1986年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。
大学卒業後、2010年に映像集団「BABEL LABEL」を設立。
伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』(2014 年)でデビュー。

以降『青の帰り道』(18年)、『デイアンドナイト』(19年)など精力的に作品を発表。
2019年に公開された『新聞記者』は日本アカデミー賞で最優秀賞3部門含む、6部門受賞をはじめ、映画賞を多数受賞。
2020年『宇宙でいちばんあかるい屋根』
2021年「ヤクザと家族 The family」
2022年「余命10年」3/4(金)公開 
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